業務改善 ヒヤリングと実測
業務改善のキッカケを元に、業務改善の実施確認がとれたなら、 問題を掘り下げ真の課題を発見する。この真の課題を発見する手法のうち、最も用いられる調査手法であるヒヤリングと実測について解説していく。
ヒヤリングは事実集めに集中する
問題定義をする場合のヒヤリングでは、事実を集めることが最も大事である。ヒヤリング対象者によっては愚痴や不満、このようにしたら良いのではといった解決策を提示してくれることも多いが、 その裏に隠された事実を集めることに集中する。
例えば、銀行の入金確認業務の改善を考えており、その業務を確認する場合、
- 担当は誰か
- いつ実施するか
- 何時間くらいかかるか
- 振込人不明の人はどうするか
- ミスはどのようなものがあるか
間違っても「どうすれば解決すると思いますか」という内容を質問の中心にしてはならない。
理由は回答者は業務全体が見えておらず、客観性を欠き、自らを中心においた解決策を回答してしまうからだ。
例えば、入金者がいい加減だからとか間違えないよう契約時に指導をしてほしいとか、 入金期限をもっと早めてほしいとか、入金確認時間はもっと必要などという様々な意見が出るだろう。
しかし、契約時の入金説明のマニュアル、実施有無、内容を精査せずに、これに対応することは馬鹿げているし、 他の内容も業務全体や作業時間を調べないとその意見が正しいかどうかを判断できないことはすぐに理解できるはずである。
業務改善を実施する人は客観的事実と業務全体を見渡して最も良い解決策を導き出す、といやり方を徹底するからこそ、 うまくいくのであって、事実がなければ解決策は都度対応になってしまう。
その為、焦らずまずは十分な事実、証拠を集めることに注力したい。
その上で、後学のために解決策を聞いておくことは良いことである。
しかし、絶対にそれを中心にしてはいけない。
質問の内容は概ね以下のような内容になるだろう。
その業務、全体像を知れば知るほどたくさんの質問が出るようになる。
質問が出ないようならまずは業務を知ることを目的に質問するのも一法である。
- 業務を知る
- 全体像とその中での位置を知る
- インプット、アウトプットを知る
- プロセスを知る
- 期間と時間を知る
- 担当者を知る
- 課題を知る
- ・・・
できれば質問は事前に用意していく
当然ではあるが、質問は事前に用意しておく。ただし、事前に自分で調べられることは全て調べてからヒヤリングする。
事前に一言、「手持ちの資料などあればお貸し頂けますか」と一声依頼するだけで良い。
そこから疑問、質問、確認を行えばスムーズにことは運ぶ。
調査対象者の選定
調査対象者の選定はいくつかの方法があるが、最初ほどキーマンといわれる人物にヒヤリングを実施し、進んでいくうちにその他の人物にヒヤリングして行くことが望ましい。
キーマンがわからない場合は各部署の長や役員に聞くようにする。
この人に聞けばその部署の業務全体を理解している、という人を教えてくれる。
ヒヤリング方法
ヒヤリング方法は大きく3種類あるが、おのおのの特徴をうまく使い分ける。 ヒヤリング 長所と短所方法 | 長所 | 短所 |
個人面談 | キーマンを中心にその人が使命した人 | できない人は指名されずらいことからそういった人の意見が反映されにくく、問題が高度になる。 |
集団面談(ブレスト) | 課題の収集に向く。ファシリテーターがうまいと意見が出やすい。 | 人によっては意見が埋没することがある。 |
アンケート | じっくり考えることができ、細かい意見も拾うことができる。 | コミュニケーションと比較すると圧倒的に項目数が少ない。事前に用意したものでは不十分なことが多く、 追加で質問や面談は必須である。 |
ヒヤリングのちょっとしたテクニック
ヒヤリング時にはちょっとしたテクニックを用いることで、理解を示し話をスムーズにすることができる技がある。- 復唱
- 図を用いる
- 直接聞かない。イメージしやすい言葉を使う。
- ・・・
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