目的と手段の相違を見直す
就業規則や福利厚生、インセンティブなどある目的を達成する為に始めたものが環境や社員の意識の変化により、 その目的を達成できない手段となり、効果の薄い、あるいは、単なる浪費へと成り下がってしまうことがある。ここでは簡単にできる業務改善の事例として、目的と手段の相違ついて紹介しています。
簡単業務改善事例:目的と手段の相違を見直す
慰安旅行
社員慰安旅行の目的はなんだろうか。会社の目的は社員の廊を労う、結束力を高める、など様々な意図があると思うが、 現代の若者は就業時間外、ましてや休日を使ってまで会社の人間と会うことを拒む傾向にある。
せっかく大金を使って旅行に連れて行って、若者は楽しんでいるだろうか。休めているだろうか。 参加したい人だけが行く旅行とどちらが良いだろうか。 単に身体を休めてほしい意図ならばマッサージ券を配った方がはるかに費用対効果は高いはずだ。
報奨金
例えば、アパレルなどでの限られた空間において、 報奨金のような制度を設けると、我の強い人間のみがお客にサービスをする傾向にある。果たしてそれはお店の目的を満たしているのだろうか。
お店側の接客の目的はその日の売上を上げることだろうか、お店のファンを作ることだろうか。
いろいろ見て回りたいと思うお客の場合には適しているだろうか。
その時が良ければそれで良いという経営は今の時代には合わない。
通勤費
現在でも多くの企業が採用している。当然だが、通勤費用は経営者側から見れば給与と同じである。
特に法令で支払い義務があるものではない。
もし同じ能力の社員が二人いた場合、通勤距離が近い方がより多くの能力を発揮できるのは当然である。
理由は通勤による疲労は特に首都圏では並大抵ではないからだ。
また、社員の健康を考えれば自転車通勤を推奨すべきだ。
自宅との距離や自転車通勤に補助金を支払う会社も最近は出てきている。
企業研修
研修も企業や参加者によっては非常に無意味な結果に終わることが多い。研修は大きく分けると、コンプライアンスやマナー研修など企業人としての行動規範に関わるものと、 マネジメントや営業力強化などビジネスそのものに役立つ内容だ。
しかし、受講した多くの人が終了直後には非常に良かったというものの、その後に何か変わったかと言われれば、 ほとんど何の変化もないことが多い。
研修そのものの目的を活かすにはどうすべきかを考えるべきである。そうでなければ費用をかけて映画を見に行かせていることと同じだ。
記憶への定着や応用という意味では、研修を受けるよりも講師になるほうが断然優れている。
飲み会
社員同士のコミュニケーション促進を目的に会社が補助を与えている場合がある。お酒が好きな人や毎回楽しみに参加している人には嬉しい限りだが、本当に公平だろうか。
お酒が飲めない人、家庭の都合で参加できない人、会社の外で会社の人と関わりたくない人もいるはずだ。
それらの人に対しても考慮が必要である。
また、飲みニケーションはその内容が非常に重要だ。
会社の愚痴は言うな、などというキレイ事を言う上司もいるが、愚痴ることから生まれるアイデアは多い。
ストレス発散の意図も込めてこれらは容認し、存分に愚痴をはかせ、それら情報を集め改善するよう努めるべきである。
また、上司の説教は言語同断だ。会社の外、ましてや飲酒中の説教ほど説得力のないものはない。
業務日報・営業日報
SFAの浸透により、営業も科学的に研究されることが多い。それでも業務日報でその場限りの対応、上司と部下の感想文のような業務日報も目に付く。 業務日報の目的はある意味組織力の向上であるべきだ。
それは記載する人個人の技術力の改善は当然として、他メンバーへの周知、組織や制度の改革なども含むはずだ。
上司が部下に対して一方的に叱咤激励するだけでは業務日誌のほとんどの目的を達成することなく無駄に終わる。
内容を吟味し、記載する部下を含め会社を良くする為に使うべきである。
その他押し付け
経営者によっては社員に良かれと思ってやっている制度がある。しかし、それらは本当に社員にその費用以上に喜ばれているだろうか。
株主優待の内容などを見ていると、車とは関係ないのに特定地域でしか使えない駐車券を配布したり、ビジネスマンにパソコン教室の基礎の優待券を配布したり、使う人の気持ちを全く考えてない企業はあまりにも多い。
株主にさえそのような対応をする企業では、内部の社員にはもっと善意の押し付けをしていることだろう。
無駄なら業務改善すれば良い。それらの制度や報酬は本当に目的を満たしているのか、一度見直してみることをおすすめする。
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