パレート分析、2:8の法則
パレート分析やabc分析という言葉を聞いたことがあるだろうか。内容を覚える必要はないが、興味がある人は調べて頂きたい。
業務改善においては、そこから派生した2:8の法則が非常に重要になる。
2:8の法則を簡単に言えば上位20%で全体の80%は構成されるというものだ。
売上の80%は商品aとbとcとd(全商品20品目の4品目)で成り立ち、その他の商品の売上は微々たるものであるとか、
あるいは原価の80%は取引先aとb(全取引先10社のうちの2社)で成り立ち、その他の取引先はほとんど活用されていなかったりなど。
業務改善を行うにあたり、この考え方は非常に重要になる。
100円のものを10%削るより、100万円のものを1%削る
日本ではなぜか「チリも積もれば山となる。」など、小さな物事をコツコツ積み重ねれば 結果が出るという内容を拡大解釈し、業務改善においても小さなことからコツコツと努力しようとする。しかし、同じ努力をするならば、大きな効果を得られる方がよい。
特にお金や時間をかけて業務改善に取り組む場合はなおさらである。
100円で買っていた消耗品のボールペンを90円で買うように努力することはいいこではあるが、効果は小さい。
100万円で使っていた取引先と値下げ交渉し、1%値段が下がれば、1万円のコスト削減になる。
どちらがコスト削減効果が大きいかは一目瞭然である。
様々な応用ができる2:8の法則
上記では、直接金額が大きなものという視点で述べたが、業務改善を行う場合、 この大きなものから改善していく、という考えは様々な場面で応用できる。利用者
実はある特定の人、特定の部署が経費を多く使っているかもしれない。あるいはある特定の人が期限を守らず業務を遅延させているのかもしれない。
また、ある一人の管理者の管理能力が不足で正しい業務指示を与えることができず、数十名のメンバーが能力を発揮できていないかもしれない。
仕入先
ある特定の業者の仕入れコストが全体に占める割合が大きく、大量仕入れ、一括仕入れなどにも利用できるかもしれない。品目
ある備品やある原材料が大きな支出になっているかもしれない。また、ある品目は品目別収支では赤字かもしれない。
時間
ある一人の労働時間、ある一部署の残業が多いかもしれない。また、ある1工程のみ時間がかかっているかもしれない。
時期
1週間のうちの特定曜日、あるいは、月の後半、季節では夏のみなどある特定の時期のみ忙しいかもしれない。その他様々な切り口があるが、 同じ努力をする場合、見返り、効果の大きなものから着手すべきである。
業務改善の改善箇所が複数ある場合には最も効果のある箇所のみを改善することで 小さな努力(20%)で大きな効果(80%)を発揮できる。
また、一度に全てを改善するより、改善が容易である。
複雑なプロジェクトは何かと失敗しがちなため、まずは最も効果の高い箇所のみ改善して様子を見るやり方もある。
あなたのリソース(業務改善に当てる時間)も、大きなリターンがあるものに絞るべきである。
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