意味のないことを止めて業務改善
業務改善の一つに無駄なこと、意味のないことを止めるというのがある。これは簡単にできてすぐに効果がでる。
これまでやったいたことを止めることは不安かもしれないが、情報を正しく整理すればやるべきか、やらないべきかの判断は容易であり、 不安が残ることも少ない。
その業務を止めるかどうかの判断
- 目的がない、目的があいまい
- 当初予定していた結果がでない
- 目的と手段がずれている
- 準備ができていない
- 優先度が低い
目的がない、目的があいまい
目的が無ければその業務を止めても全く問題ない。できれば目的でなく、より具体的、定量的な目標があればベターである。
当初予定していた結果がでない
当初予定していた結果がでない理由は、そもそもの目標が誤っていたか、 やり方が誤っている。やり方が誤っている場合には止める、改善するという勇気が必要だ。
目的と手段がずれている
目的と手段がずれていることは多い。明らかに別のやり方の方が効率的に、確実に、目的を達成できる場合がある。
その目的を達成する方法はそれ以外にないのか、代替案を検討してみる。
準備ができていない
準備が必要な業務において、準備ができていない場合はすぐに止めるべきである。必ず失敗する。
参加者が多いほどその損害は大きい。
日程をずらす、やり方を変える、準備を皆で手伝うなど他のやり方はいくらでもあるはずだ。
優先度が低い
全ての物事には優先度がある。他に優先度の高い業務があるならすぐに止めるべきである。
上司は部下が優先度の低い業務に精を出しているようなら注意してあげるべきである。
簡単業務改善事例:意味の無いことを止める
使わないアンケート
会社を良くしたいと思って従業員を対象にアンケートを取る。しかし、そのほとんどは無駄に終わる。
良くてせいぜいアンケート結果を集計し、発表する程度だ。
アンケートが失敗する理由は、目的が絞られていない場合が多い。
目的を絞ればアンケートの回答者も質問も厳選される。
例えば、新しい勤怠管理システムを導入したとする。だが、聞こえてくる評判はいまいち。
このような状況で全社員を対象にしたアンケートなどもっての外だ。
勤怠システムの導入目的が給与計算の早期化であれば、給与・人事担当の業務効率化を最も優先し、ヒヤリングすれば良い。
不具合ならいざ知らず、アンケートで全ての問題点を洗い出そうなどというのは業務の優先順位付としてありえない。
業務の効率化、業務改善の観点からすれば無駄以外の何物でもない。
準備のできてない会議
準備のできていない会議も経費の無駄遣いであり、業務改善の対象である。効率が悪いばかりでなく、生産性がない。
会議の要件はアジェンダと資料、ファシリテーターの3つが無ければ始めるべきでない。
会議の冒頭に、「アジェンダ、検討用資料、ファシリテーターの3つは揃っていますか」を合言葉にするのも良いだろう。
また、できれば会議の前に検討用資料に目を通してもらえればベストである。
その中でも特に重要なのは、検討用資料の内容だ。
仮説ベースでも良いので、案(たたき台)を用意しておくことだ。案が具体的であればあるほど良い。
その案が正しく、皆が納得するものであれば極端な場合、資料を読むだけで会議は終了する。
時間効率、生産性ともに最高である。
また、その案が間違っている場合、その資料のどこが間違っているか、何が欠けているか、どうすべきかをその案をベースに具体的に 話し合うことができる。
よく、会議中に「空中戦(具体性のない空論で意味の無い会議のこと)をするな」と叱られることがあるが、たたき台があれば多くの空中戦を回避できる。
会議における経費とは「参加者の時給×参加人数+場所代」であるという経費観念を持たなければならない。
管理者が作業者
管理者は管理者として機能しているだろうか。管理職の職位にもよるが、作業者であれば不要である。
管理とはその業務に関わる全て知っており、チームとしての成果、生産性を向上させることだ。
それは部下のフォローであったり、組織の仕組みづくりであったり、他部署との連携であったりする。
名ばかりの役職に意味のない賃金を支払う必要はなく、正当な技能手当で報いるべきである。
業務改善よりも正当な評価という方が近いかもしれない。
承認者の役割が決まっていない
承認経路や指揮命令系統が複数ないだろうか。承認経路が多いと申請項目の全ての項目を全ての承認者が見たり、 誰かが見ているだろうと、内容を見ずに承認するなど無駄な作業だらけになる。
承認者が複数いる場合は項目ごとに承認者を分け、責任を取らせることだ。
誤字脱字、文書の分かりやすさなどは係長が担当し、購入金額、購入先の比較検討数、購入先の提案内容などは 課長が、そもそも購入すべきか、部や会社にとって今必要か、他に代替案がないかを部長が承認したりなど、 役職に見合った内容を承認させ、責任を取らせるべきだ。
部長が稟議書の誤字・脱字を指摘するようでは承認経路が機能していないと考えた方が良いだろう。
0から作る無駄
提案用資料を0から作ったり、議事録を雛形から作成したりしていないだろうか。過去の資料のよし悪しは別にして、資料は会社で資産として共有すべきである。
言い換えるとあなたの会社がよく利用する資料はフォーマットを用意し、内容だけ埋めるようにすべきである。 仕組みを用意しないことは業務の効率化を阻止するだけでなく、反省することを困難にする。
手作業の無駄
単純作業は無駄である。特に考える必要のない作業はシステムにやらせれば良い。システムが最も得意とする分野である。
システムへの入力もルーチンワークなら海外の格安入力業者にアウトソースすることも一法だ。
「量が多い、単純、誰がやっても同じ」内容は業務改善の対象であることを覚えておくべきである。
指示待ちの無駄
新卒に限らず指示待ち人間は非常に多い。また、完成しているにも関わらず報告がない場合もある。
新人から報連相をしっかり教育してきただろうか。
また、仕事には絶対に暇な時間など存在しない、ということをきちんと教育してきただろうか。
社会人、サラリーマンとしての教育が不足すると会社は向上していかない。
朝礼
あなたの会社の朝礼は機能しているだろうか。朝礼が単なる時間の無駄になるか、有益な一日の始まりになるかは朝礼の目的と管理者とメンバーの関係に依存する。
なんのために朝礼を行なっているか、その目的を達するのに朝礼である必要があるか今一度確認して頂きたい。
多くの会社がずっとやってきたから、慣習だからという理由でやり続けていることが多い。
特によく見る朝礼はその日の予定や各メンバーの作業予定の確認である。
大事な予定があるなら、メールで一言でも良いかもしれない。
メンバーの作業予定の確認をその場で聞いて、正しいか誤っているか、今日一日で十分かを判断できるだろうか。 毎日ルーチンワークのような作業をする場合、それらの報告は必要だろうか。もっと良い方法はないだろうか。
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