アウトソース会社活用=業務改善ではない
アウトソース活用やシェアードサービス、システム運用委託など、コア業務以外を外部会社に委託し、業務改善しようとする会社は非常に多い。
しかし、本当に業務改善できている会社は殆どない。
なぜ失敗するのだろうか、どうすれば業務改善できるのだろうか。
ほとんどの業務はアウトソース会社に委託すべきでない
現在主流のアウトソース会社やシステム運用会社などの外部委託会社はその多くが2000年前後に登場した。その時代はシェアードサービスによるコア業務への集中や、システム化、オフショア開発などの様々なブームに乗り、業界そのものが大きく発展した。
しかし、そもそも目の付け所が誤っていたのである。
アウトソース会社の前提は自社の業務が改善されないことが前提
アウトソース会社 | 自社 | ||
アウトソース | 業務改善による コスト削減 |
社員経験曲線による 業務効率アップ |
総合 業務改善効果 |
そのため、世の中のシステムが発達しようが、多くのビジネススキルが社内に蓄積しようが一切関係しない。
あなたの会社で10年前と同じやり方でやっている業務はあるだろうか。
ほとんどの人がNoと言うはずである。
実工数と人数の罠
例えば、1,000人程度の会社で経費精算にどの程度の人数が必要だろう。あなたの会社の経理窓口担当人数は1人?
だから1人必要?
業務量にもよるが実は0.1人程度(1日1時間)である。
例えば、社員数1,000人の会社で給与計算にどの程度の人数が必要だろう。
あなたの会社の給与計算担当人数は1人?
だから1人?
業務量にもよるが実は0.16人程度(1ヶ月に5日程度)である。
多くの担当者はその業務だけをずっと1ヶ月しているわけではない。
にも関わらず業務改善効果と称して、 比較する時、その担当者の1ヶ月の給与と比較し、 いかにもアウトソース会社を活用することで業務改善ができるようにみせるのである。
アウトソース会社に委託している場合は定期的に値下げ交渉が必要
すでにアウトソース会社に委託している場合は契約などからすぐに解約できないかもしれない。また、すでに担当者不在でアウトソース会社に委託するしか手段がない場合もある。
そのような環境の場合、定期的に競合他社を活用し、値下げ交渉をすることだ。
特に5年以上値下げがないようであれば、おかしいと思うべきである。
現在は人件費が非常に安い海外の会社が現地の人を使い現地の会社で運用していることが多い。
日本語が使える、品質保証も当たり前で、値段も非常に安い。
これが本来のアウトソース会社活用のメリットである。
日本企業だと人件費の関係でどうしても自社でやる方がコスト削減効果は大きくなってしまう。
アウトソース会社に委託すべき業務とは
アウトソース会社はその特性から日本の会社と海外、特に新興国の会社に分けて考えるべきである。以下、おのおのを活用すべき条件について考えていく。
日本のアウトソース会社
現在のように、ルーチン業務はほとんどがシステム化でき、担当者が自ら工夫し、業務を改善しようとする環境において、アウトソース会社に委託するメリットはほとんど見られない。アウトソース会社の利益をプラスする分、むしろアウトソース会社を使わないことの方が業務改善となる。
つまり、日本のアウトソース会社を使うのは、以下の場合が望ましい。
- コア以外の業務である
- 非定形業務である
- 頻度が高く複雑な業務である
しかし、コア業務以外であっても、非定形業務であり、かつ、頻度が高い業務が望ましい。
理由は、非定型業務は社内に知識が貯まらず、業務改善効果を得ることはできない。
言い換えると定形業務はシステムにやらせたり、社内で業務改善すべきだ。
また、否定形業務は頻度が1度や2度なら社内でやっても問題ないが、 頻度が高い場合は専門家に任せた方が処理能力は早く大きな時間削減という業務改善効果を得ることができる。
一から調べることは時間がかかるが、2度3度となれるに従って自然と業務効率がアップするのは当然である。
海外のアウトソース会社
海外のアウトソース会社はその見極めが非常に重要であるが、成功時のメリットは社内で業務を抱え込むより断然コスト削減効果が大きい。つまり、海外のアウトソース会社を活用する目的、メリットはコスト削減である。
その為、従来の王道のアウトソース活用方法が当てはまる。
- コア以外の業務である
- 定形業務である
- 頻度が高く単純である
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